インテリジェント核酸って？

生命の設計図と呼ばれる遺伝子のもととなるDNAやRNAなどの「核酸」。このうち、天然に存在する核酸にはない、特殊な構造と機能をもち、化学的に合成される核酸を「インテリジェント核酸」といいます。日華化学では光で結合する、分解されにくい、発光するなど様々な機能を持つインテリジェント核酸の開発・製造や、インテリジェント核酸を用いた「DNA（遺伝子）光操作システム」の研究に取り組んでいます。

難病克服への第一歩。

日華化学のインテリジェント核酸を用いると、ある生物がどのような遺伝子をもっているのかを知ることができる「遺伝子検査」を、より速く、より正確に行えるようになります。医療分野では、特定の病気の原因となる遺伝子の働きを阻害して治療が難しい病気を克服したり、将来的に予想される病気に備えて健康寿命を伸ばしたりといった役割が期待されています。

病気の治療にも、食品偽造防止にも役立つ技術！

がんなどの遺伝子がかかわる病気の遺伝子検査は、医師が患者個人にあった効き目の薬を処方する助けとなります。また、コメの品種も、特定の遺伝子に対する検査を行うことで簡単に判定でき、食品産地の偽装を防ぐことができます。植物・動物・細菌・人間…遺伝子が関連する分野において、様々な生物への応用が可能な技術です。

光でDNAを自由自在に操作する？

これまで、DNAを操作するのは、とても難しいことでした。しかし日華化学では、北陸先端科学技術大学院大学 藤本教授との産学連携により、光を用いて自由自在にDNAを操作できるインテリジェント核酸「CNVシリーズ」を開発。「CNVシリーズ」は、UV光をわずかな時間あてるだけで、対応するDNAと反応し、光架橋と呼ばれる強固な結合を形成します。遺伝子工学のツールの１つとして用いると、遺伝子の検査をよりスピーディかつ正確に行うことができるようになります。この研究は学術的にも評価を受け、先端医療だけでなく、ケミカルバイオロジー、ナノテクノロジー、環境分野などでの応用が期待されています。