界面活性剤
「相性」を変える魔法?
人と人の間の相性と同じように、モノとモノの間にも相性があります。この2つのモノの境界、つまり「界面」に作用して相性を自由に変化させるのが、日華が得意とする「界面活性剤」です。界面活性剤は、マッチ棒のような模式図で表されます。丸い方は親水基と呼ばれ、水ととても仲良し。一方、棒状の部分は疎水基と呼ばれ、油など水以外のものと仲が良いという性質を持ちます。界面活性剤はこの相反する2つの性質を持っているため、2つのモノの界面に入り込んで、色々な作用を引き起こします。乳化、分散、浸透、起泡・消泡の4つの作用は、界面活性剤の代表的なはたらきです。
乳化で、水も油も混じり合う。
1つ目のはたらきは、乳化です。乳化は、普段は混じり合わない液体同士を混じり合わせるはたらき。例えば、水と油に界面活性剤を入れると、すぐに混ざり合ってしまいます。界面活性剤をいれると「油と仲の良い部分」が油を取り囲みます。すると、水と仲の良い部分が外を向き、水に溶けてしまうのです。
分散で、固体も水に混じり合う!?
2つ目は、分散です。分散は乳化に似ていますが、液体同士ではなく、液体と固体の間にはたらく作用。界面活性剤が小さな固体を取り囲み、液体の中に均一に散らばらせてしまいます。
浸透技術で、なんでも水になじませる。
3つ目は、浸透。浸透は、水に濡れないものに作用して、水が染み込んでしまう作用です。繊維の表面に界面活性剤が吸着すると、繊維が水となじみやすくなり、水の上に浮いている布切れも沈んでしまいます。
起泡・消泡技術で、泡をつくったり消したり。
最後に、起泡・消泡です。泡は、界面活性剤の、水と仲の良い部分が向かい合って並んでできています。泡を起こして、体や器具を洗浄すること。あるいは、泡を消すことで、ペンキを綺麗に塗ることででるようにすること。こうした技術も、日華の大事な技術です。